イラスト制作のヒント

イラスト制作において度々出てくるワード、「パース」について簡単に解説いたします。

※パースとは?
正しい遠近感の把握方法となり、パースを踏まえることで正しい立体表現が可能になります。

パースの捉え方

1.地平面と立ち位置を定め、対象物を捉える視点を決める

難しい言葉になってしまいましたが、簡単に説明すると描く対象物に対する
水平な地面を設定し、それに対してどの高さ・角度から見ているのかを
把握することで、描く構図の整合性をとっていきます。

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2.消失点を設定する

先ほど定めた地平線に対し、目視できる地平線の果てとなる水平線を定めます。
図のように、対象物が立方体の場合、手前側面の4辺を水平線のある1点に
集約することで、対象物の目視できる限界点、「消失点」を設定します。
その消失点までの4辺の延長線上に物体の奥行きの幅で区切ることで
違和感のない立方体が生まれます。
今回立方体を用いておりますが、どのような形状でも基本的には
この考え方となります。

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3.ゆがみを把握する

こちらはカメラの考え方に当てはまります。
カメラのレンズは丸みを帯びているため、その分視界が歪みます。
実はこれは人も同様で、視界はそもそも目の位置を中心に円錐状に広がって
いるのです。この歪みを一枚の絵に反映することで、
より違和感のない自然なイラストになります。

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まとめ

対象物に対する視点と消失点を定めた上で、視点のゆがみを反映する。
これがパースの基本的な考え方となります。

質感を表現する上で必要な「光源」の考え方を解説いたします。

光源の捉え方

1.光源位置を決める

どこから対象物を照らす光が差し込むか。
その位置・内容を決めることで、陰影のつけ方を検討します。
位置によって一番照らされる箇所、影の濃さ・長さ等が決まってくるので、
まずは光源についての決めが重要となります。
太陽光か部屋の照明の違いによって照らされ方が変わるので
内容も重要な要素です。

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2.対象物の構造を把握し、明暗をつける

先ほど決めた光源からくる光が対象物がどのように反映するか、を検討します。
例を挙げると、直線的な光である太陽光を
壁に対して平行に当てると明るく表現され、
角度をつけて当てれば当てるほど影の表現が強くなる、といった内容です。
もちろん、対象物は常に単純な形な訳ではないため、
対象物が複雑であればあるほど、
形状と光源位置を元に陰影を捉える作業に時間を要します。

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3.環境の影響を考慮し、陰影をつける

一般的なイメージでは「影」と聞くと黒いイメージですが、
対象物自体の色味や環境内の物体の色味等で影の色は様々に変化します。
基本的には対象物の色味を軸に陰影をつけていきますが、
地面や物体からの跳ね返りなどの環境光も検討し、
陰影の色味を決めていきます。

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4.質感を表現する

もっとも強く光を反射する部分をハイライトと呼びますが、
そのハイライトを表現するだけでも質感の印象は大きく変わります。
また、対象物の汚れや傷、逆光を表現したり、
単純に対象物や陰影の書き込みの密度で質感のクオリティは向上します。

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まとめ

「光源の位置」「対象物と光源・環境の関係性」を把握する、
もしくは設定することがより質感の高いイラスト制作には必須となります。